たまひの蝸牛…

クラシックの演奏の感想中心に記載しています。良い悪いではなく好き嫌いでの評価ですので参考にならなかったらすみません

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長い旅路の一区切り?(Thorens Exceldaのリペア)

相変わらず作業していた、Thorens Exceldaのリペア。何度もギヤ作り直して、まぁこれなら我慢?できるレベルかな?という及第点なところまで漕ぎ着けました。

再生音

及第点?な再生音はこちら

youtu.be


組み上げる前はもっと回転が安定していたのですが、組み上げて何度か再生したら、回転が不安定に…

当初の音が音楽になっていなかったので、かなりマシにはなりましたが、あと一歩という感じですね。

昔のヨレヨレの再生音

youtu.be

リペア後の写真

各種リペア後の写真です。

届いた直後の写真と比べると、大分綺麗になっていますー(自画自賛
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Thorens Excelda after repairThorens Excelda after repairThorens Excelda after repairThorens Excelda after repairThorens Excelda after repair
Thorens Excelda リペア後の写真達

回転ムラの原因

回転ムラはやはり、摩耗したギヤが原因でした。

まぁ当たり前ですな。

ギヤの山が30個なので、イラレで12°毎に等間隔で線引いて、ギヤに貼り付けて、山修復したり、現物のガバナー側のギヤを押し付けて、ギヤ作ったり、トライアンドエラー繰り返してきました。

及第点のギヤの修復方法

  1. ヨレヨレな状態の山を可能な限り谷側を削った状態にします。(フォーク状にする)
  2. 谷をパテを埋めて、半乾き(固めな粘土)状態の時に、一度組んでガバナー側を回してパテにギヤの跡を付けて硬化させる
  3. パテに付いた跡を掘って調整しました。

この時、谷の幅を掘りすぎると良くない感じでしたので、付いた跡の幅に合わせて、溝を彫りギヤを作成しました。

まだ微妙に揺れているので、これを何度か繰り返せば精度はあがりそうです。

今後

ひとまず、リペアは一区切りな感じで、針を固定するネジが普通のないますネジでしたので、指で回せる様にパテで頭を付けました。
これで普通に使うことができそうです。

テスト再生で、鉄針無くなっちゃったので、買わなきゃ、サボテン針自作も気になる…
物好きだね〜

ブルックナー交響曲第2番(ペイン編曲室内オケ版): ピノック / ロイヤル・アカデミー・オブ・ミュージック・ソロイスツ・アンサンブル(2014?)

Symphony No.2

演奏 トレヴァー・ピノック / ロイヤル・アカデミー・オブ・ミュージック・ソロイスツ・アンサンブル
(Trevor Pinnock / Royal Academy of Music Soloists Ensemble)
録音 LINN / 2014? / Stereo
演奏時間 17:46 14:28 06:09 16:20 合計: 52:43


エルガー交響曲3番を補筆したペインによる編曲版

HMV101の作業もひと段落したので、レビューに戻りますw
編曲物を紹介しているので、そちら続きで今度はブルックナーです。

とはいってもブルックナーはかなり少なくて、レビューできる手元にあるのは、2番と7番、弦楽五重奏曲のオーケストラ版位です。

少し前に、6番と7番の新たな編曲版が出ていましたが、軽くしか聴いてないですが、好みではなかった…

古楽系で有名なピノックと、各楽器がソリストで構成されているオケによる、なんとも珍しいブルックナーしかも初期の交響曲2番の演奏です。

私は、ブルックナーの初期の曲が好きで、00、1、ヌルテ、2、各宗教曲等好んで聴いております。

ペイン編曲で、20名*1による演奏という事で、室内楽版までは小さくなく、室内オーケストラ向けという感じですね。

ハーモニウム使っているのが好みで良いです。もう少し刈り込んで10名程度でも良かった気がしますw

古いブルックナー聴きの方々から「こんなのブルックナーじゃ無い!」って言われそうですが、スッキリとしてキリっとしまった演奏(響)で好みです。

殆どの楽譜がブルックナーの書いたものなに、9番のフィナーレ聴いても、拒否反応示す人が多いのが面白いところ
初版の変さを考えると、本元ブルックナーはやっぱり変人なんですよね、周りの意見で普通に矯正されちゃっただけで…

オケを分厚くして演奏する指揮者が多い中、このスッキリ感は逆に新鮮です。
録音の為か、金管が強すぎる事もなく、弦と対等な感じが不思議な感じです。

スピーカーで聴くと若干物足りなく、ヘッドフォンで聴いた方がこの盤は良い気がします。

管楽器のソロも、この演奏だと寂しげな雰囲気が出て良いです。
スケルツォも、いつもの激しい感じと異なり、ちょっと可愛い感じに。
最終楽章も、いつもの巨大な構造物という感じではなく、各楽器がぽつり、ぽつりという感じで、不思議な感じに聴こえて新鮮です。
ただ最終楽章だけ、ちょっとゆったり気味で少しだけチグハグに聴こえちゃいました。

気が付いたら、ブルックナー交響曲第2番、このアルバムしか持ってないかも?あれ?

評価

評 価 ★★☆ スッキリとした編曲で好み
レア度 ★☆☆ 探せば出てくる感じですね

*1:ヴァイオリン2、ヴィオラ2、チェロ1、バス1、フルート1、オーボエ1、クラリネット2、バスーン2、 ホルン3、トランペット1、トロンボーン1、ティンパニ、ピアノ、ハーモニウム

HMV101 メンテナンス完了

先日手に入れたHMV101、メンテナンスが完了しました。
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筐体

筐体の外側は、化粧布(合皮?)が、角が擦り切れたりほつれたりしているので、木工用ボンドで貼り付けたり、ほつれ止めしました。
その後全体的に水拭きして、艶出しを少しだけ塗っています。

取手部

取手部は革が切れていたのですが、止金がネジ止めではなく、外すのが面倒だったので、ひとまず自己融着テープを巻き付けて、持ちやすくしました。

金属パーツ

ターンテーブル

ターンテーブルは比較的状態がよかったので、裏面の錆び取りのみし、綺麗に拭きました。フェルトがやれているので、そのうち交換したいですね。

HMV101のターンテーブルとアーム部
ターンテーブルとアーム部

アーム部

アームの根本側も、状態が比較的良いので、、ベアリング部に注油と、コンパウンドでメッキ部を掃除するのみでOKでした。
アームの先のサウンドボックスが付くパーツは、傷が多かったのとねじ山が硬かったので、他の金属パーツと一緒にクリーニングへ

その他

その他の金属パーツ全般は、片っ端から外してネジ共々、クエン酸のお風呂にいれ一晩放置
その後丁寧に水洗いして乾燥させ、乾燥後にCRC556を吹きつつサビを落としました。

HMV102クエン酸つけてサビを落とした後の金属パーツ
クエン酸つけてサビを落とした後の金属パーツ

ゼンマイモーター

バラせる箇所はバラして、パーツクリーナーで古いグリスやオイルを除去した上で再度グリスアップ。
今回はゼンマイのグリスも洗い流した上で新しいグリスを塗りました。

HMV101ゼンマイモーターの洗浄中
ゼンマイモーターの洗浄中

ホーン

金属ホーンも箱から取り出して、水拭きした後にサビが出ている箇所に錆止め塗り、開口部の塗装が剥がれていたので、艶消しブラックで塗装しました。

HMV101のホーンJ2-12のホーン
左:HMV101のホーン、右:J2-12の木製ホーン

中板

中板は、傷だらけ。
オートスタートストップ機構の取り付けネジが、緩くなってしまった為か、前の持ち主が別な場所にずらして固定している為、スタートストップが上手く動いていない感じでした。

ねじ穴を爪楊枝で穴埋めして、ネジ穴復活させて正しい位置で止まる様にしました。

HMV101ネジ穴を爪楊枝で補修中HMV101ネジ穴を爪楊枝で補修中
ネジ穴を爪楊枝で補修中


板自体は軽くペーパーかけてニス塗って傷が目立たない様にしました。

メンテナンス前メンテナンス後
メンテナンス前(左)後(右)
色付きのアクリルニス塗ったのですが、木目があまり見えなくなってしまって微妙な出来栄えに。

何時か、ウォルナットの突板貼ってセラックニスとかで仕上げたいですね。

サウンドボックス

半田付けで無理やり裏蓋が止められていたサウンドボックス。
カッターで半田を削り、裏蓋外しましたが、カバーのダイキャストがボロボロで崩壊しました。
振動版は使えそうなので、トンボとハンダ付されていた箇所を外しておきました。

HMV101に付属されていたサウンドボックス
HMV101に付属されていたサウンドボックス
本元径が合わなくて使えなさそうなサウンドボックスでしたが、なくなっちゃったどないしょ?

完成!

再組み立てでし完了です。
一応、ビクトローラJ2-12との並べて写真撮ってみました。
HMV101 の方が、カクカクしてコンパクトですね。

HMV101とJ2-12の比較HMV101とJ2-12の比較
HMV101とJ2-12の比較

試運転

サウンドボックスは、Thorens Exceldaのものがピッタリフィットだったのでそれを付けて試運転

ゼンマイ

ゼンマイですが、40巻位でそれ以上巻けなくなりました。香箱もビクトローラと比較すると小さめだからかな?
無負荷で6分は回転していたので、12インチはギリギリいけそうな感じですね。

オートスタートストップ

正しい位置に変更したのが効いたのか、開始も停止もスムーズに動く様になりました。

アームの動作

動きの硬かったアームですが、メンテナンス後は軽く動く様になり、スムーズにサウンドボックスが盤に乗る様になりました。

速度調整

メンテナンス前は、速度が速すぎましたが、メンテナンス後は正しい回転数中心に速度調整できる様になりました。

試聴

長い金属ホーンのおかげか、明快で明るい音で、低音も出ています。
エクストラソフトの針なのですが、本元音量が大きめに出るExceldaのサウンドボックスも相まって、音量がかなり大きいです。

今まで聴いた蓄音機の中では一番音が良いですね。やっぱり

ちゃんとしたサウンドボックス欲しいな〜
HMV純正の、No.4*1、No.5a/5b*2は高いから、何か良いサウンドボックス無いかな?

マーラーの交響曲の編曲版まとめ

蓄音機ばっかり弄っていて更新がえらい遅くなりましたが、マーラー交響曲の編曲版(主に縮小版)聴いたことある物はいちおうご紹介しましたので、まとめです。

その他で、子供の不思議な角笛室内楽編曲版持っていますが、なかなか良いです。
嘆きの歌とか、マイナーな曲も編曲だれかしないかな?

交響曲第1番 巨人

ピアノ版と小編成版をご紹介、youtubeとかだと、もっと編成の小さい版での演奏見かけますね。
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交響曲第2番 復活

ピアノ版、10人程度の編成の編曲版でないかな?
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交響曲第3番

いまだに室内楽版は聴いていないです。好きな曲なので聴いてみたいですね。
ジーモン編曲版はありそうな感じですが…

交響曲第4番

リノスアンサンブル版があれば良いでよう。
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交響曲第5番

ちょっと面白くなかった、私的演奏協会的な編曲でないかな?
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交響曲第6番と7番

手持ちはないですが、youtubeにはジーモン版が上がっている様な?
少し聴きましたが、この人の編曲は好みではないです…

番外編 交響曲第8番

とても気に入りました。ぜひ全曲聴いてみたいです。
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交響曲第9番

ジーモン編曲版ですが、しっくりこなかった
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ピアノ独奏版、一部のみですが、演奏も編曲も苦しい。
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交響曲第10番

ピアノ版と室内楽版、どちらもいまいち。
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大地の歌

編曲は良いんですが、演奏が…
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HMV101 が割安で手に入りました!

以前から、ちゃんと出口まで繋がったホーン(できれば金属)の蓄音機を欲しがって(聴きたがって)おりましたが、偶然にもHMVの101を割安で手にいれる事ができました!

HMV101 とは?

蓄音機の名器として有名な、HMV*1の102 / 101
102 が電気録音のSPに対応したモデルで、とても音が良いと人気がありますが、前モデルの101も根強いファンがいるそうです。

101は、機械吹き込み*2から電気録音に以降した辺りの機種で、サウンドボックスによって、102 にかなり近い感じにもなるそうです。

どちらも1m近い金属ホーンで、101の後期型はオートストップも付いているので、102との違いは細かいデザインや、ホーンやアームの若干の違いくらいの様です。

入手したHMV101

写真

HMV101
HMV101です。
HMV101シリアル番号
HMV101シリアル番号かなり後期の型?
サウンドボックスと針
ついてきたサウンドボックスと針
ビクター犬のニッパー
ニッパーくんは綺麗な状態

状態

届いてざっと状態確認しました。

アーム

アームの中間が固くて回らない。
土台の回転は滑らかでOK。多少サビはありますが、年代としては綺麗かと思います。メッキもそれほどはげていないです。

サウンドボックス

送られてきた、サウンドボックスは非HMV製でした。
こちらは径が合わず。
ダイキャストが崩壊していて、トンボが曲がっていて固定できていない
。その為か、ボール紙が差し込んであり固定されていた様です。
振動版にも紙がなぜか詰められていました。
振動版は歪んでいます。
さらに裏蓋は、ハンダで固定されていました。orz …

とりあえず全く使える状態ではないので、メンテナンスします。

モーター

ゼンマイを軽く回して確認しました。
ターンテーブルは問題なく回転しましたが、スピード調整がうまくいっていない様で、ガバナーが高速回転する音がでています。
その他は異音もなく、回転も滑らかですね。

各種操作盤

オートスタートストップは上手く動いてない模様、どうやら以前の持ち主がネジ山ダメにしてしまった様で、別な木ネジでずらして固定してしまった為、上手く動かなくなっている模様

速度調整は、一番遅い状態にしてもガバナーの高速回転音が聞こえるので、要調整ですね。

金属部はそれほどサビは出ていないので、状態としてはまずまずかと。

外見

全体的に布が剥がれていて、下地の木が見えています。
取っ手もボロボロ。
操作部の木は、流石に傷が目立ちますね。一部ねじ山ダメにしちゃっているところもあり、修復要です。

ターンテーブル

中心部のフェルトが一部ケバだったりしている所もありますが、金属部分の状態はまずまず。サビも少ないです。

試聴

手持ちのサウンドボックス、j2−5 / J2-12 用のオルソフォニックは径が合いませんが、Thorens Excelda のサウンドボックスは径がピッタリでしたので、これを付けて前述の通り回転が速い状態でしたが、そのまま試聴しました。

高音も低音も今までの蓄音機を比較すると出ています。全体的に明るくメリハリのある音で、ある意味現代的な音ですね。

同じ盤をJ2-12でかけてみましたが、高音の伸びがなく比較するともこもこした音に。音の出方がマイルドなので木製ホーンの特徴かもしれませんね。

Thorens Excelda も金属筐体の共振作用?で、サイズ以上の音量と音質でびっくりしましたが、金属ホーンのHMV101は似た傾向がある様に思いました。
普通のオーディオだと金属パーツの共振なんて以ての外ですが、蓄音機だと逆にそれが魅力になるなんて不思議ですね〜

今後の予定

とりあえず、金属パーツの錆類を落としてクリーニング。
箱は、ほころび、めくれを木工用ボンド等で貼り付け。
操作盤の木は、傷だらけなので少し磨いて、ねじ穴の修復しないと。

ゼンマイモーターは、古いグリス落としてクリーニングして再組み立てですね。

サウンドボックスはどうしよう?よりによってハンダ付けとは…

コロンビアの蓄音機2機種は、綺麗にして音出しもOKなので、嫁入りしました。
HMVの進捗によっては、ビクロトローラも音出しOKなのでどうするか悩み中。本命のHMV手に入っちゃったので…

*1:His master's Voice

*2:ラッパによる直接溝を掘るタイプ