蓄音機、色々と弄ってきましたが、HMV101を手に入れて一気に落ち着いてしまいましたw
というのも、HMV101 or 102 が欲しいけど、お値段が高いから、構造が似ているビクトローラや、金属ホーンのコロンビア210を探していた訳で、本命が手に入ってしまった今、安い日本製のジャンク購入して直す必要が無くなってしまった…
HMV101
英グラモフォンの蓄音機で、HMV102は後継機。
細く長いアームと金属ホーン、シングルゼンマイのモーター。
サウンドボックスはマイカのNo.4が付属
手に入れたHMV101は、外側の程度はあまり良くなく、操作盤もやれておりました。アームのメッキも剥がれ気味。
オートストップ機構は、以前の所有者さんが、ねじ山ダメにした関係でズレて止められていました。
サウンドボックスは鋳物の日本製でほぼ崩壊状態で使い物にならず。
それでもアームのベースやモーター、金属ホーンの状態は問題なかったので、ある程度メンテナンスすれば使える状態でした。
でもろもろ作業して今は普通に使える状態になっています。
サウンドボックスHMV NO.5b
HMV101 メンテナンスして普通に使える様になりましたが、サウンドボックスが無い。
仮でトーレンスのサウンドボックスで聴いていましたが、トーレンスは手放す事を決めたので、別なサウンドボックスを探していたところ、HMVの名機と言われるNo.5bが、割安で出ていて、購入できちゃいました。
HMV No.5bは、HMV102に付けられていたサウンドボックスで、華やかなハイファイ的な音色で定評のあるサウンドボックスです。
ビクターのオルソフォニックと同様な作りですが、鋳物の質がかなり良くて、しっかりしています。
入手後に、分解掃除、注油、フェルトの交換、半田付けのやり直しを行いました。
HMV101 on No.5bの音質
そのままでは、101のアームが細くて固定できないので、自己融着テープ巻いて隙間調整して、No.5bを固定しました。
その状態で、手持ちのSP聴いています。
![HMV101とNo.5b](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/t/tamahi_channel/20240606/20240606074552.jpg)
音量は充分すぎるほど出ていまして、一番音の小さいと言われる竹針を使っても盤によっては、煩いかも?と思う音量が出ます。
華やかな音色の 5bのキャラクターが強くでていて、高音が強めで明るい音が出ています。ただ盤によっては高音がキツすぎる感じもしないではないですね。
カザルスなどを再生すると、1m近いホーンの為か、なかなか良く低音が再生されています。
気になる所
音量
やはり純正じゃない関係か、音量が出過ぎてしまって、竹針でも夜は憚られる音量な盤があり、落ち着いて聴いていられないw
高音よりな音色
5bは良くも悪くもハッキリとした華やかな音色で、HMV102向けに設計された感じなんですかね? HMV101とだと高音がきつすぎる感じな時があり、もう少し抑えた感じが良いなと思う事も。
その他のサウンドボックス
HMV No.4
出典: ebay
本元HMV101に付属していたサウンドボックスなので相性は抜群と思われます。
マイカ振動版サウンドボックスですが、電気録音がで始めたタイミングの製品の為、電気録音のSPでも問題ないとのこと。
海外のフォーラムでもやはり評判が良いですね。
背面が真鍮と鋳物とあり、鋳物は例の如く劣化して割れ易いので避けた方が良いとの記述が見受けられます。
日本のオクやフリマだと滅多に出てこないです。
ebayだとチラホラありますが、真鍮製は諭吉一枚前後で送料が同じくらいかかるものが多いです。
sonora
出典: ebay
アコースティック録音時代のサウンドボックスで、ベルの様に澄んだ音を目指して開発されたそうです。こちらもマイカ振動版
HMV No.4 と並ぶ高音質らしくお勧めされている記述もあり。
口径が合うかは不明だけど、海外フォーラムだと購入したHMV101についてきたという記述もあるので、使えそう。
こちらも日本のオクやフリマだとほとんど見ない、出ても高い。
ebayだとチラホラあり、HMV No.4よりは安いですが送料がやっぱり高いものが多いですね。
Meltrope
出典: ebay
こちらは、金属製の振動版のサウンドボックスですが、海外のフォーラムでとても音質の評価が高いです。
HMV No.5a/b やVictor のオルソフォニックより高評価だったりします。
アームとの接続が、ゴムをネジで押しつけることでアームにピッタリ固定する方式で、空気漏れが皆無とのこと。
実際youtubeに結構動画が上がっておりますが、バランスが良くて聞き易く感じました。
日本のオクやフリマでは見かけたことなく、ebayで少し見かけますが、この高評価の為、お値段がお高い。
日本に発送しない物は、少しリーズナブルだけど転送サービス使うか、発送お願いしてOKもらわないと…
MeltropeはIIIまでサウンドボックス出した後に、Deccaに買収された為、以降はDeccaの蓄音機のサウンドボックスが Meltrope 設計の物に変更された様で、もちろんこちらのサウンドボックスの評判もとてもよいです。
サウンドボックス単体で買うより蓄音機ごとかった方が安い場合もw
ebayとかだと、HMV101も1.5万円〜から買えて、綺麗なHMV No.4
がついていることも結構あります。
HMV No.4が送料込み諭吉2.5枚くらいなのであまり値段かわらず買えちゃう。
DeccaブランドのMertroeも、蓄音機丸ごと買うと、送料高み3.5万円程度なので、Meltropeのサウンドボックスを単体で買うより安かったり…
SPの音について
実際にSPの音を聴くまでは古臭い、ノイズまみれの音だと思っていましたが、全然違いました。
SP時代の録音が、LPやCDで出ていますが、出てくる音は全く別物と言って良いと思います。
蓄音機で再生すると、音がリアルで前に出てくる感じがするのですが、CDやLPだと、ノイズに埋もれてスピーカーの中で奥に引っ込んだ感じで音が出ている感じが強いです。
針音はありますが、音楽が始まってしまえば、針音は全然気になりません。
この蓄音機特有の音の実在感は、とても不思議です。
もちろんモノラルなのですが、実在感が強いので全然物足りなく感じないです。
音の入り口=出口という究極にシンプルな構成が成せる音なのか…
別の部屋で演奏している楽器を、長い管を通して聴いているともしかしてこんな感じなのかな?
特に、ヴァイオリンやチェロのソロの相性が良い気がします。オケはちょっと厳しい。歌物も相性は良さそうですが、歌系苦手なので持ってないです。
*1:雲母